サーバー移転したとき苦労したので、備忘録として残しておきます。
Redmime 利用しているGoogle認証プラグインは、「Redmine Omniauth Google plugin」に対して
の修正版を施したものです。こちらは、redmine 4.1.2 でも動作します。
移転先は、さくら VPS(CentOS Stream8)です。
関連情報
STEP 1. 新サーバーに Redmine 4.1.2 を新規導入
とても長い道のりがあります。
基本的には上記サイトの通りにセットアップするとよいです。
- DB: MariaDB 10.3.x
- Perl: perl 5.26
- Ruby : 2.6.x
- Unicorn(自動起動)
- Nginx 1.18(非暗号, 自動起動)
ここまでうまくいけば、次に Let's Encrypt を使った常時SSLで redmine を動かしたいと思うはず。
STEP 2. 通知のためにメールサーバ(postfix)を導入しよう
Let's Encrypt の証明書通知のために、メールが送信できる環境が必要です。今回は他のメールサーバーを使わず、自前で完結することを想定しています。そのため postfix をインストールします。postfixをインストールしたなら、mailコマンドも使えるようにしておくとなにかと便利です。
dnf install postfix
dnf install mailx
上記2つコマンドで mailコマンドと postfixをインストールします。
今回は完全にローカルでしか使わないので、外部からの 25/tcp を許可する必要はありません。IPv4 のみで良い場合、下記のように inet_protocols を ipv4 にしておくとよいです。
/etc/postfix/main.cf を編集
inet_protocols = ipv4
myhostname = ホスト名(FQDN)
mydomain = ホスト名(FQDN)
上記3つを設定したら、
service postfix start
で自動起動しておけばよいです。
かりにホストが、hogehoge.example.com であるなら
echo test | mail -s 'test' 自分のメールアドレス
として自分にメールしてみましょう。
たとえば root ユーザーで実行すると
root@hogehoge.example.com からメールが届くはずです。
また /etc/aliases を編集し
root: サーバーのシステム通知をうけるメールアドレス
をいれて
newaliases
にて、エイリアスデーターベースを更新しておきましょう。このあたりはサーバー管理の問題なので、詳細は割愛します。
STEP 3. Redmine を Let's Encrypt を使った常時SSL化してみよう
証明書発行に、certbot を利用する場合、
http://ホスト名(FQDN)
が外部からアクセスできる状況が必要です。
また上記で redmine のサイトがでることを確認しましょう。
さくらVPSであれば、コントロールパネルのパケットフィルターから一時的に 80/tcp を外部から許可しましょう。なお 443/tcp (https://)については、IP制限をかけるなど限定接続可能なら、そのほうが安全です。
最終的に
https://ホスト名(FQDN)
へ自動転送することになるので、
証明書の更新のときに http://ホスト名(FQDN)自体は存在しないことになります。これが今後証明書更新にどのような影響をでるまでは検証していません。
そのあたりは今後検証予定。とりあえず証明書ができたら、80/tcp は閉じておきます。
次に
redmine 用の設定
/etc/nginx/conf.d/redmine.conf を上記リンク先にあるように編集します。
ただし、後ほどインストールする Google 認証プラグインのため、下記の赤部分を追加してください。これを追加することで redmine の back_url が http:// から https:// に切り替わってくれます。
location @app {
proxy_redirect off;
proxy_set_header X-Real-IP $remote_addr;
proxy_set_header X-Forwarded-Proto $scheme;
proxy_set_header X-Forwarded-For $proxy_add_x_forwarded_for;
proxy_set_header Host $http_host;
proxy_connect_timeout 60;
proxy_read_timeout 60;
proxy_send_timeout 600;
proxy_pass http://unicorn;
}
これで、
https://ホスト名(FQDN)
としてアクセスできたら成功です。
STEP 4. Redmine データの移行
を参考に、元サーバーから
- files フォルダ
- themes フォルダ内の利用テーマフォルダ
- plugins フォルダ内の利用プラグインフォルダ
- redmine 用データベース
をバックアップしましょう。
新規インストールしたのと同じデータベース名(上記例だと redmine)にすると、
私の場合にはエラーがでたので
redmine2 など別のデータベースを作成して、そちらにインポートするのがよいと思います。
DBをインポートする、変更した場合にはその都度
redmine のトップフォルダで
bundle exec rails db:migrate RAILS_ENV=production
bundle exec rails redmine:plugins:migrate RAILS_ENV=production
をすること。
プラグインは個別に移行が必要かもしれないので、細かいところは省きます。
プラグインを出し入れした場合
redmine のトップフォルダで
bundle install
systemctl start redmine-unicorn
systemctl status redmine-unicorn
をしましょう。これで unicorn が fail になるようなら、そのプラグインが新しい redmine に対応していないことになります。それをフォルダから外すなりして、上記コマンドを実行しなおしてください。
files はそのまま入れ替えてください。
テーマ内の利用テーマフォルダもそのまま入れ替えてもいいですが、新しいバージョンが出ているなら更新することも検討すればよいです。
Google Developer Console にログインして、
https://ホスト名(FQDN)
を追加しておく必要があります。
今回ハマったのは、
- proxy_set_header X-Forwarded-Proto $scheme;
の設定をいれていなくて
https://ホスト名(FQDN)/oauth_google?back_url=http%3A%2F%2Fホスト名(FQDN)%2F
のように back_urlが http なので、Google認証できないというものでした。
2021年4月12日 @kimipooh